辺り一面を覆う湯煙からは硫黄臭が漂います。7つの木樋から音を立てて流れる湯滝に滝壷に輝くいで湯。幻想的な光景に、「草津よいとこ一度はおいで~」と草津節が聞こえてきそうで思わず心が躍ります。「天下の名湯」「日本三名湯」と謳われる草津の姿が湯畑には感じられます。独特の入浴法が“時間湯”。草津節に合わせて大きな板を使った湯もみで湯を冷ました後、湯長の号令でいっせいに3分間だけ入浴。高温の湯を源泉のまま浴するために工夫された方法です。有名な湯もみは、18ある共同浴場のうち「熱の湯」で見学が可能です。
草津温泉のはじまり
白根山・本白根山という活火山に抱かれた草津温泉は、その開湯についての伝説は実にさまざまです。今から1800年余も昔の日本武尊発見説や奈良時代の高僧、行基発見説が伝えられています。鎌倉時代、鹿狩りに訪れた源頼朝が入浴した事も有名です。この様に歴史上の大人物の発見とされるのは、太古の昔から、草津温泉の泉質がそれだけ有名であったという事の証と言えるのではないでしょうか。